連載 脳損傷者への就労支援—対象者のデータベース化と多職種による支援の試み・第5回
当院における就労支援作業療法の実際—高次脳機能障害を呈する2事例を通して
清野 佳代子
1
,
坂本 一世
1
,
武原 格
1
Kayoko Seino
1
,
Issei Sakamoto
1
,
Itaru Takehara
1
1東京都リハビリテーション病院
pp.252-256
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202031
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はじめに
当院の入院患者は年間800人前後で,うち生産年齢の10〜50代は約30%を占める1).そのため,退院後の生活に向けた作業療法(以下,作業)において就労支援を実践することは少なくない.しかし,平均在院日数約70日の当院退院時に,患者の多くが就労レベルの能力に到達できているとはいいがたく,特に後遺症のなかでも高次脳機能障害は回復途上であることが多い.当院では10年前より外来の高次脳機能障害患者に対する特別訓練プログラムを提供しており,延べ約80人の患者が参加された.その中から,他機関と連携し,就労に向けて長期に支援をした2事例の実践内容を報告し,振り返ることで,日々葛藤している回復期リハ病院の就労支援における役割を再考したい.
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