連載 脳損傷者への就労支援—対象者のデータベース化と多職種による支援の試み・第6回
当院における復職支援作業療法の実際—職場との連携を重視した2事例を通して
森 友紀
1
,
森下 頌子
1
,
武原 格
1
Yuki Mori
1
,
Shoko Morishita
1
,
Itaru Takehara
1
1東京都リハビリテーション病院
pp.455-460
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202091
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はじめに
当院の入院患者の中で,生産年齢である10〜50代は約30%を占める.生産年齢にある脳卒中患者は,リハゴールとして「就労」を挙げることが多い1〜2).生産年齢の患者は発症前に仕事に就いている場合がほとんどであり,就労を目指すときの支援の第一選択は復職となる.2012年(平成24年)から約3年間の当院での退院後調査では,就労を達成した80名中,復職した患者は74名で,90%以上を占めている3).
発症前の業務内容,役職の有無,雇用形態,勤続年数,職場内での人間関係,通勤手段等は患者それぞれによって異なり,個別性が高い.障害とのマッチングが必要なため,復職には職場の協力が欠かせない.しかし脳卒中の後遺症について理解が進んでいる職場は少なく,患者以上に困惑している場合も多い.復職の際には職場に丁寧な説明や情報交換を行い,環境調整まで介入することが少なくない.
今回,職場との連携を行った結果,復職に至った2事例を振り返り,有効と思われる方法を報告する.
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