Close-up 高齢者のシーティング
本邦における車椅子シーティングの変遷と機能的な意義
森田 智之
1
Tomoyuki MORITA
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター神奈川リハビリテーション病院理学療法科
キーワード:
車椅子シーティング
,
歴史的変遷
,
座位姿勢
Keyword:
車椅子シーティング
,
歴史的変遷
,
座位姿勢
pp.202-207
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590020202
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はじめに
何らかの理由で歩行による移動が困難になった方に対して,理学療法士は歩行能力を評価し,それに応じた問題解決方法を提示することにその専門性を発揮する.移動手段の確保は活動や参加につながり,その人らしい生き方を送ることへの支援となる.例えば,家のなかでは歩行で移動できるが,屋外などでの長距離の移動となると歩行では難しい場合もある.あるいは,まったく歩行することができなくても,車椅子を利用することで離床できる場合もあるだろう.いずれの場合も目的に応じて歩行能力の評価から移動方法を考えるという流れは同じである.
Iezzoni1)は,対象者の歩行能力が低下しているとき,その人に適したゴールを設定して身体機能を評価し,その結果から対象者にオプション(移動手段の選択肢)を示すことが重要であると述べている.筆者はこの主張に賛同するとともに,適切な移動手段の提供にあたって理学療法士の果たす役割は大きいと考えている.
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