特集 脳性麻痺児者への作業療法—現在,過去,そして,未来を拓く
扉
黒澤 淳二
1
,
山本 伸一
2
,
西出 康晴
3
1大阪発達総合療育センター
2山梨リハビリテーション病院
3倉敷中央病院
pp.109
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201994
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特集にあたって
わが国に脳性麻痺児の神経生理学的治療法が輸入され,取り組まれるようになってから50年が経とうとしている.当時,「正常化するかもしれない」と取り組みはじめた,理学療法を中心とした各種治療法…….私たちセラピストのみならず,家族をも翻弄している地域格差と施設間格差,そして,医師の治療方針の見解の違いの一部は,いまだにこれら各種治療法の違いに原因があると聞く.理学療法中心の各種治療法に伴走してきた私たちOTにとって,各種治療法から受けた恩恵と残されている課題とは何なのだろうか?
一方,脳性麻痺児の疾病および障害構造は,医療技術・社会構造・家族構造とともに大きく変化した.障害観・死生観等,私たちの生き方・価値観も変化した.地域包括ケアの推進とともに,重い障害がありながら幼少期から児童デイサービス等で手厚く支援を受けることも可能な時代になってきた.
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