学会・研修会印象記
第53回日本作業療法学会
坂本 和貴
1
,
平城 修吾
2
,
長峰 まい香
3
,
今泉 千晶
4
1山形県立保健医療大学
2大島保養院
3大阪発達総合療育センター
4児童デイサービス コパンの杜北22
pp.1372-1375
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201945
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国際化するOT学会に参加して
2019年(令和元年)9月6〜8日にかけて,第53回日本作業療法学会(以下,OT学会)が福岡で開催された.新時代最初のOT学会のテーマは「作業療法研究のターニングポイント」であった.“ターニングポイント”とは,「変わり目,転換点,分岐点」を意味し,“変わり目”とは,「物事がある別の状態に移り変わるとき」を意味する(広辞苑).私は,作業療法研究が別の状態に移り変わる前の状態(過去),今の流行り(現在),移り変わろうとしている方向(未来)に興味をもち,OT学会に参加した.私の印象を記したい.
印象に残ったことはたくさんあるが,特記すべき点が2つある.1つ目は,ポスター発表会場の熱い雰囲気であった.私は本学会で初めてポスター発表を経験した.OT学会のポスター会場に初めて足を踏み入れた私は,その凄まじい熱気にあてられた.ポスター会場は大勢の参加者で埋め尽くされ,直線で歩けないほどであった.至る所で活発な討議がなされ,発表時間を過ぎても討議が止まない場面が多くみられた.また,私自身,本大会でポスター発表の素晴らしさに気づくことができた.それは,発表者と聞き手が1対1で討議できる場であることだ.発表者は自分が誰よりも詳しく知っているであろう症例(私の場合,症例報告であったため)について,可能なかぎり多くの情報を聞き手に伝えることができ,聞き手は細かな疑問点を発表者に直に訊くことができる.聞き手が症例について可能なかぎりありありとイメージでき,その症例について討議できた場が私はとても心地よかった.
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