講座 画像情報を作業療法に活かす・第1回【新連載】
画像情報の理解に必要な知識
妹尾 淳史
1
Atsushi Senoo
1
1首都大学東京
pp.1344-1351
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201940
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
基本的な脳画像の診方
現在,臨床で使用されている診断画像は一部の診療施設を除き,X線写真やCT,MRI,SPECTおよび超音波断層画像を含め,すべての画像装置(モダリティ)はデジタル画像である.デジタル画像は配列状に並んだ数字の大きさを画像の輝度の大きさとして可視化したものであり,画像中の輝度の違いはモダリティから得られた生体内情報に大きく反映される.したがって,画像から適切に診断するためには,それぞれのモダリティがどんな生体内情報を含んでいるのか理解する必要がある.本稿ではカンファレンスでの情報共有に必要な断面,スライスの高さ,各種撮像手法の特性等,基本的な脳画像の診方について解説し,さらにOTが他部署と連携する折に画像関連で留意すること等についても解説する.脳以外の胸部・腰部・四肢等の骨画像を読み解くためのキーポイントについては成書1〜6)を参考にしていただきたい.
脳の疾患には,脳梗塞や脳出血,狭窄,動静脈奇形および動脈瘤等の血管性病変や,細胞腫や髄膜腫および神経鞘腫等の腫瘍性病変等以外にも,浮腫や脱髄,ヘルニア等さまざまな種類がある.脳は構造的に左右がほぼ対称な形状をしていることから,脳画像の診方としては,どんなモダリティの断層画像でも最初に脳の左右の大きさや形状を比較することが基本である.
Copyright © 2019, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.