Japanese
English
研究と報告
触覚による識別時の脳内機構と学習の影響について―機能的MRIによる分析
Cortical activation patterns during complex sensory discrimination and the effect of learning:a functional MRI study.
村上 仁之
1,2
,
渡邉 修
2
,
来間 弘展
2
,
松田 雅弘
3
,
津吹 桃子
4
,
妹尾 淳史
2
,
米本 恭三
2
Yoshiyuki Murakami
1,2
,
Shu Watanabe
2
,
Hironobu Kuruma
2
,
Tadamitsu Matsuda
3
,
Momoko Tsubuki
4
,
Atsushi Senoo
2
,
Kyozo Yonemoto
2
1江戸川医療専門学校理学療法学科
2首都大学東京大学院保健科学研究科
3横浜療育医療センターリハビリテーション課
4池上総合病院リハビリテーション科
1Department of Physical Therapy, Edogawa Medical Special School
2Department of Physical Therapy, Tokyo Metropolitan University Graduate Schools of Health Sciences
3Department of Physical Therapy, Yokohama Ryouiku Medical Center
4Department of Physical Therapy, Ikegami General Hospital
キーワード:
機能的MRI
,
触識別
,
学習
,
可塑性
,
理学療法
Keyword:
機能的MRI
,
触識別
,
学習
,
可塑性
,
理学療法
pp.263-268
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101204
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要旨:触覚による識別時の脳内機構,および,その学習の影響を明らかにすることを目的に,機能的MRIを用いて,脳内神経活動を分析した.対象は,麻雀経験のない10名(対照群)と,5年以上の麻雀経験をもち,母指掌側のみで麻雀牌を識別できる6名(熟練者群)である.麻雀牌を単に触知覚している際には,16名中14名で母指対側の感覚運動野(SMC)の賦活が認められ,そのうち,さらに1名で同側SMCが,2名で同側小脳が賦活した.一方,麻雀牌を識別している際は,全16名で母指対側SMCの賦活を確認し,そのうち,さらに12名で同側SMCが,11名で同側小脳が賦活した.また,両群とも触識別時には,触知覚時と比べ有意に全脳内賦活領域が増加したが,熟練者群は対照群に比べ,その増加量は有意に少なかった.以上より,単なる触知覚に比べ,触識別時には両側SMC,小脳を含む広い領域が関与していることが示され,また触覚による識別学習によって,その賦活領域は限局し,縮小することが示唆された.
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