わたしの大切な作業・第19回
身体をメインテナンスする
名越 康文
pp.1205
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201900
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私にとって作業こそが生きること、と言ってもよいかも知れない。特に毎日のルーティンワークが1日の自分を支えてくれている。そしてそのほとんどは朝に済ませられる。自嘲的な言い方をすると、40代のころまったく身体をいたわらなかったおかげだ。その結果、48歳の冬の100日間、ほとんど風邪症状が抜けないという憂き目に遭ったのだった。とにかく寒気と肩こり、頭重感が抜けない。そのころは週に2〜3本はテレビやラジオの仕事をしていたのだが、本番直前までしんどくて机に突っ伏していたことすらあった。そんな最悪のコンディションの中で出会ったのが「足助式医療體操」だった。以来11年間、毎日欠かしたことがない。
というわけで、朝、目覚めた姿のままで、つまり布団の中から私の作業は始まる。「足助式医療體操」の基本である足首回しからスタートし、快通快便体操という仰向けで膝を立て、交互にその膝を内側に折りたたむ運動を数百回するころには、スッキリとした目覚めの心地よさが全身を駆け巡っている。おかげで腹の調子が悪くて苦しんだことは一度もない。この体操はほとんどが寝転がったままでできるという、安全で誰にでもできる体操で、昨今注目されている大腸にもとてもよい影響があるらしい。
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