Japanese
English
特集 認知症の人が地域で継続して生活するためのエビデンスを探る
—地域で継続して生活するために—認知症高齢者の睡眠,生活リズムに対する評価と介入
The importance of approach to sleep and daily rhythm for continuation of community living in people with dementia
石丸 大貴
1,2
,
田中 寛之
2
Daiki Ishimaru
1,2
,
Hiroyuki Tanaka
2
1大阪大学大学院
2大阪府立大学大学院
pp.1148-1152
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201879
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:認知症高齢者が地域で生活を継続するために睡眠や生活リズムは重要か?
Q2:認知症の原因疾患や重症度,そして居住環境による睡眠や生活リズムの障害の特徴は?
Q3:OTは睡眠や生活リズム障害に対して何ができるのか?
認知症高齢者における睡眠障害と生活リズム障害の臨床的重要性
地域で生活する認知症の方に対するリハでは,対象者だけでなく家族の生活障害にも焦点を当てながら1),両者が過度な負担を負うことなく在宅生活を継続できるような支援が必要とされている.
認知症高齢者の在宅生活が困難となる背景には,認知機能障害,activities of daily living(ADL)障害,behavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD),併存疾患,あるいは家族との関係性や家族介護者の健康状態等,種々の要因が複雑に関与しているが2),重要な背景要因の一つとして家族の介護負担の増大が指摘されている3).なかでも認知症高齢者の睡眠問題やそれに付随するBPSDは家族の介護負担に大きく関係しており4,5),家族介護者の睡眠や生活リズムが認知症の方の睡眠障害や生活リズム障害に影響を受けることも報告されている6,7).ゆえに,認知症高齢者の在宅生活を継続させるためには,本人とその家族の生活と密にかかわるわれわれOTが睡眠や生活リズムを評価し,その問題に取り組むことも重要であるといえる.
Copyright © 2019, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.