Japanese
English
特集 産業精神保健の現状と課題
産業医から治療者に期待すること
What to Expect from an Industrial Physician to a Healer
市来 真彦
1
Masahiko Ichiki
1
1東京医科大学学生・職員健康サポートセンター
1Student・Staff Health Support Center, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
精神疾患
,
mental illness
,
復職支援
,
reinstatement support
,
精神療法
,
psychotherapy
,
リハビリテーション
,
rehabilitation
Keyword:
精神疾患
,
mental illness
,
復職支援
,
reinstatement support
,
精神療法
,
psychotherapy
,
リハビリテーション
,
rehabilitation
pp.1355-1364
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206446
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抄録 労働者にとって「労務を提供する」ということは,疾病があろうがなかろうが,「勤怠不良がなく,期待されるアウトプットを出す」ことである。よってうつ病の患者が復職可能であるということは,症状が軽減しているだけでは不足であり,上記条件に到達させた上で診断書を記載する必要がある。そのためには,1) 治療初期の時点で,患者に「正しい休息」に努めさせると同時に,本人の同意を得て会社側から本人の労働内容などの情報を入手した上で治療プランを立てる,2) 診断が決まったら正しい診断を診断書に記載し,復職時には配慮する必要があることを会社側に明らかにしておく,3) 時期が来たら,身体のリハビリテーション,脳のリハビリテーション,認知療法などの心のリハビリテーションという3つの「訓練」を開始し,4) 生活リズムを働く状況にシフトさせていく,5) 薬物療法は,復職前には,職種によって適切とは言えない薬物を服用させないようにしておく,といった取り組みがなされていることが望まれる。
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