特集 泌尿器病理 鳥瞰図―近未来の泌尿器腫瘍へズームイン
企画にあたって
泌尿器病理 鳥瞰図―近未来の泌尿器腫瘍へズームイン
都築 豊徳
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1愛知医科大学医学部病理診断学講座
pp.483
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207854
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泌尿器腫瘍の治療の実施において,病理診断は非常に重要な役割を担っています.病理診断の規範はWHOから出版される成書が現状の規範であり,診断カテゴリーの確立やおのおのに対する診断基準が示されています.2022年にWHO第5版(WHO2022)が発刊され,新たな規範が提示されることになりました.WHO2022の出版は今後の泌尿器腫瘍の診断および治療に大きく影響を与えることから,今回の企画を立案するに至りました.
今回の企画ではWHO2022で取り上げられた疾患単位,特に注目すべき変更点が記載された項目を中心に取り上げてみました.WHO2022とは別に,泌尿器病理を理解して頂くうえで重要と考えた項目も取り上げ,それらの解説を行って頂きました.さらには,術中迅速診断のような日常業務に直結する内容から最近注目を集めている分子生物学的知見,特に腫瘍免疫や遺伝子に関する学術的な内容まで幅広く解説して頂きました.これにより今回の特集号のみで現在の泌尿器病理の全体が俯瞰できるように工夫を行いました.病理は難しいと思われがちですので,内容も平易にして,泌尿器の先生方が理解しやすいように工夫をしております.最後に,今回の執筆陣は次世代を担う若手の先生にその多くを担当して頂きました.新しい時代に即した内容が盛り込めたと自負をしております.
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