提言
学校に作業療法を—沖縄県・学校作業療法の取り組み
仲間 知穂
1
Chiho Nakama
1
1こども相談支援センターゆいまわる
pp.606-607
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201737
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学校の作業療法との出会い
私は6年間,回復期でOTとして勤め,その後結婚し子育てをしながら専門学校で教員をしていました.しかし,長男が1歳のころ,保育園から他の子との違いを指摘され,発達検査をするよう言われました.そのときのことをよく覚えています.「検査を受けないと安全に保育ができない」,「専門的な情報がないと怖い」先生たちの口から出てくる言葉に,不安と怒りで頭が染まっていった感覚でした.一方で2007年当時,私は「作業科学」に興味があり,「先生たちは子どもに何ができることを望んでいるのか」,「他の保育園や小学校の現状はどうなのか」等,さまざまな問いに対する関心も強く,地域の保護者にヒヤリングをするようになりました.その活動を通して保育や教育環境の現状を知り,学校にOTとしてかかわる必要性を感じ,ボランティアでの学校の作業療法を始めました.
開始当初,親や子どものために学校を変えないといけないという使命感がありましたが,初めて入った嘉芸小学校の校長先生のおかげで,大きく視点が変わりました.校長先生は私に,学校の状況やルール,文化だけでなく,先生たちの思いや教育の魅力を教えてくださいました.
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