特集 理想の分娩第1期のケア
産む“環境”を整える
太田 裕穂
1
1優和クリニック・産婦人科
pp.794-797
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100818
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はじめに
自分は群馬県桐生市という人口約10万人の町で開業しています。約2年前に先代である父から継承し,ベッド数9床の小さな医院として新築リニューアルを行ない,分娩台にこだわらないお産と母乳育児支援を旗印に日々奮闘し現在に至っています。
今回の企画の原稿依頼を初めて聞いたとき,正直驚いたのは事実です。
産婦さんたちにとってよりよい環境を提供するのは当然のことであり,当院でも実践してはいますが,まだまだ至らないところは多々あり,毎日が勉強という日々の自分に,「このような発言の場は畏れ多い」というのが最初の思いでした。
でも,「施設に勤務していた時は,今の自分以上に実践できていなかったのではないだろうか」という思いに至り,「施設的に環境を変えていく・整えていく」にはどうしたらよいかについて自分なりの意見を述べよ,ということであろうと理解し,この執筆をお受けした次第です。
これから述べることは,助産院または自宅出産を扱っている助産師の方々には当たり前に行なわれていることばかりです。したがって,そのような立場にいる方々にとってはいまさらの感があると思いますが,ここでは,病院施設内ではいかにしたらよいかということを,当院の例を紹介しつつ述べたいと思います。
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