特集 医療的ケア児と作業療法
コラム:「大人になれた」娘 愛生子に思うこと
水田 光子
Mitsuko Mizuta
pp.465-466
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201689
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私には,指先しか動かせず,言葉も幼い28歳の福山型筋ジストロフィーの娘がおります.娘は,平日はデイサービスに通い,休日は家でのんびりしたり,コンサートや魚釣り等,遊びに出かけたりして過ごします.けれども,1歳で病気がわかったときには,「この子が成人することはない」と言われました.20年以上前の医療では,娘が大人になることはなかったのです.
娘は,現在,人工呼吸器,酸素ボンベ,カフアシスト,吸引器等の機械を使用し,胃瘻で栄養を摂りながら暮らしています.心臓のチェック,胃瘻交換のための病院受診,往診,呼吸リハ,訪問看護等を医療として支えていただき,デイサービス等,家以外の居場所の提供,在宅介護をヘルパーさんに助けていただくこと等を福祉として支えていただいています.他にも,呼吸器や酸素ボンベや車いすの業者さん,相談員さん,友だち,周囲の方々等,娘が家で過ごすために,たくさんの方々に支えていただいています.
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