Japanese
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実践報告
イスラム教徒の整容行為の意味と作業療法—知的障害のあるチュニジア人への支援から
Meaning of grooming activities of Muslim in occupational therapy: through an experience to support for Tunisians with intellectual disabilities
鈴木 友美
1
,
河野 眞
2
Tomomi Suzuki
1
,
Makoto Kono
2
1訪問看護ステーションバウム
2国際医療福祉大学
キーワード:
作業療法
,
宗教
,
作業の意味
Keyword:
作業療法
,
宗教
,
作業の意味
pp.201-205
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201615
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Abstract:今回,OTとしてイスラム教徒が9割以上を占めるチュニジア共和国の発達障害児・者通所施設において,ADLにかかわるプログラムを行う機会を得た.プログラム中,知的障害のある児の発言から整容におけるイスラム教徒としての意味に気づき,周囲のスタッフに共有した.そのことから二者間の内的期待と外的期待のずれが減少し,結果として児のイスラム教徒としての作業(整容)を保障することとなり,児のプログラム参加での積極性や整容に対する発言に変化がみられた.特に,宗教的側面の強い作業は,クライエントのみならず,信仰を共有する人々・集団からの情報収集,宗教を基盤とした共同体意識への働きかけがクライエントを支える周囲のサポートを拡大させる大切な要素になることが考えられた.OTは,同じイスラム教徒でなくとも,作業・それを行う人・周囲の人を含む環境に視点を置き,つないでいくことで,宗教にまつわる作業も支えていくことができることが示唆された.
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