臨床実習サブノート 「日常生活活動」をみる・3
整容
菊池 智恵
1
Tomoe Kikuchi
1
1森山記念病院リハビリテーション科
pp.729-735
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201611
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はじめに
整容は,円滑な社会生活を送るうえで欠かせない日常生活活動(ADL)です.整容の目的は大きく2つあります.1つは健康状態を保つため感染や疾病を予防することです.もう1つは,相手に不快感を与えないよう身だしなみを整えることです.このため,整容がおろそかになると自身の健康や人とのかかわりに支障を来す可能性が高く1),整容はADLにおいて重要な活動と言えます.
整容には歯磨き,洗顔,手洗い,整髪,髭剃りなどが含まれ,動作としては比較的容易なものが多いです.そのため,整容は何らかの障害を抱えても自立しやすいとされています.参考までに,脳血管障害患者におけるADL項目別自立度を表1に示します2,3).整容は他のADL項目と比べると,容易で自立度が高い活動であることがわかります.このことから,動作の難易度を考慮しリハビリテーションを行うことは患者自身のできる動作を増やし,早期のADL自立につながります.
本稿では,整容について,代表的なADL評価法,理学療法を目的とした評価の視点,離床範囲に応じた理学療法の視点,退院に向けたかかわり,を解説します.
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