Japanese
English
特集 今,作業療法室でできること
作業療法室という現実の空間—作業療法室と治療構造
Reality space:Occupational therapy room and Therapeutic Structure
早坂 友成
1
Tomonari Hayasaka
1
1杏林大学
pp.934-939
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201412
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Key Questions
Q1:作業療法のための時間と場所とは?
Q2:作業療法のための活動とは?
Q3:作業療法のための人とは?
はじめに
Occupational Therapyの“occupation”の意味には,「占領」,「占有」という意味が含まれている.OTとは,空間をoccupationすることで療法を可能にする療法士であるが,これらの根拠は作業療法の治療構造に示されている.
中山1〜4)が提唱した精神科作業療法の治療構造では,精神科作業療法は4層の構造化から構成されている.4重構造の内訳は,第1層:一般的外的治療構造,第2層:作業療法室という外的治療構造,第3層:作業という外的・内的要素に渡る外的内的治療構造,第4層:一般的内的治療構造,であり,「作業療法室」の構造化は第2層に明記されている.また,松井5)は精神科作業療法の治療構造として,①時間,②治療者と非治療者の関係,③物的条件,④作業の4条件を述べており,これらの治療構造は,山根6)が提唱した精神科作業療法の治療構造にも示されている.
本稿では,作業療法室を精神科作業療法の治療構造から再確認し,作業療法室と各治療条件との関係について具体的な臨床事例を示し解説する.
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