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夫の視点から
発症に至るまで
私の発症は,19歳のときに大学の研究室で寝ずにパソコンのプログラミング作業をしたことに始まる.週1回のコンビニのアルバイトを辞めて,研究室に閉じ込もってしまう.仮想空間におけるプログラミングを,寝ずにパソコンで組み立てるうちに,幻聴や妄想の状態に身体がなっていった.再発は,31歳のときに薬も飲まずに,寝ずに深夜帯のアルバイトを過重労働したためだ.過重労働とは1日平均12〜15時間の労働で,週に1日休みの過重労働である.このときも幻聴や妄想が酷かった.
再発した後,愛媛県にあったコンビニを辞めて,休養するために31歳のときに父の実家である徳島に住むようになった.妻に出会うまで,5年間ぐらい徳島でコンビニのアルバイト等をしたが,長続きしなかった.仕事が難しいと父と母に相談したところ,障害基礎年金の手続きをしてくれた.このときに自分は障害者であると認識した.障害者に合った仕事をハローワークに紹介されて就労継続支援A型事業所で働いているところで,仕事仲間からフットサルに誘われた.フットサルは趣味に合って,出会い目的ではなかったのだが,3回目くらいに女の子が現れ,たまたま帰る方向が一緒だったために送迎を頼まれた.この送迎をしてあげた女の子が妻である.最初フットサルで出会ったときは特に何も感じなかったのだが,送迎を最初してあげるときに助手席で彼女が足を無意識にばたつかせていたので,“この子,障害をもっているのかな”と思った.車の中で話をしているうちにこれからも送迎するために連絡先を交換した.4回目のフットサルは試合だった.その試合に送迎をしてあげる朝に,予定より早くに待ち合わせ場所に着いたのだが,彼女がもう来てたので,“この子とは気が合うな”と興味をもった.フットサルの送迎をしているうちに彼女をデートに誘った.最初のデートは海がいいと思い,香川県の津田の松原に行った.海の浜辺を何気なしに2人で歩いて,「ちょっと休憩しよう」と私が言うと,彼女はお弁当を持ってきてくれていた.このお弁当を食べたときに衝撃的においしかったので,彼女から「自分でつくった」と聞いて,“この子は他の子とは違う,お嫁さんにしたい”と心の中で思った.それからデートを重ねるうちに,私から告白して「つきあってください」とメールで伝えると,彼女からいきなり「結婚する意思はありますか」と訊かれたので,“これは本気でつきあわないといけないな”と意思を固めた.このメールを送ったときは,実家から出て,一人生活を始めていた.メールの後,「きちんと告白してほしい」と彼女から言われ,デートのときに私のほうから「真剣におつきあいしたいです」と手を差しのべたとき,彼女が了解の握手をしてくれたので,天にも昇る気持ちだったのも今でも覚えている.この了解の握手をした後,デートしているうちに「今日はもう遅いから泊っていきなよ」と私が言うと,彼女が「いいよ」と言ってくれた.何度も宿泊をしているうちに彼女のお母さんが現れ,私は喫茶店で「真剣におつきあいさせてください」とスーツ姿で頼んだ.この日に彼女が仕事を探してくれて就職が決まっていたので,相手方のお母さんは了解してくれて,同棲生活が始まった.
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