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家族を幸せにする老い方―「愛」だけではたりない.本当に介護は家族が担うべきなのか?
柳 在貞
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1東京大学医学部保健社会学教室
pp.1184-1185
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904969
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近年,老年人口は著しい増加傾向にあり,そのなかでも,老年人口に占める一人暮らし老人の人数およびその割合は年々増大する一方です.国は,21世紀の超高齢社会に備えるべく,ゴールドプランを策定し,各自治体において在宅,施設双方の保健福祉サービスを一元的に提供することとし,老人保健計画と老人福祉計画を一体化した「老人保健福祉計画」の策定を施行するようになりました.主に要介護高齢者にかかわる福祉サービスおよび保健・医療サービスは,福祉と保健・医療が連携し,一体的に策定すべきであるとして,医療,保健,福祉それぞれの分野でさまざまな研究がなされています.
ところが,健康的な生活をして長生きしたとしても,高齢になるほど介護が必要になる確率は高くなり,介護の問題は避けて通れないのが現実です.したがって,現在,国・地方自治体ではさまざまな保健福祉施策があり,それらを利用して暮らしに役立てようとしていますが,高齢者やその家族には実際に利用可能な保健福祉サービスや資源があるにもかかわらず,これらに関する情報が届いていない,あるいはこれらの利用度がかなり低いことが知られています.
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