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Key Questions
Q1:入院治療における作業療法とは?
Q2:ARPにおける作業療法の意味とは?
Q3:これからのアルコール医療は?
はじめに
アルコール依存症に対する治療は,入院・外来共に行われる.2010年(平成22年),診療報酬において重度アルコール依存症入院医療管理加算がつくことになり,少しずつOTの関与が増えてきている.また,依存症となる前の早期介入1)も行政等を巻き込むかたちで行われている.
肥前精神医療センター(以下,当院)のアルコール依存症の入院治療は,病床数60床の男女混合開放病棟にて行われる.入院患者はアルコール依存症,薬物依存症等の物質依存の患者,統合失調症等,精神疾患の患者である.アルコールリハビリテーションプログラム(alcohol rehabilitation program:ARP)(表1)は治療契約を結ぶことができた対象者(患者)へ行われる.治療は10週間のクリティカルパス(表2)に則って行われ,治療に携わるスタッフは,医師,看護師,心理療法士,精神保健福祉士,OT等の多職種にわたる.入院治療の目標は,離脱管理とアルコール依存症の正しい知識を得ること,断酒である.OTは変化のステージミーティング(認知行動療法)やCST(coping skills training)と呼ばれる対処行動を身につける教育的なプログラムに加え,創作活動や園芸,料理,運動を行う従来の作業療法を担当する.作業療法の対象となるのは,入院後,離脱症状の管理を行う安静期間を終えた約2週間後からとなる.開始時に主治医より作業療法処方箋が出され,作業療法開始となる.OTは開始時に導入面接を実施し,作業療法の目的を伝え同意を得る.
事例を通し,当院での入院治療について説明する.
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