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特集 アルコール依存症と作業療法
入院中のアルコール依存症者に対し,作業療法士は何ができるのか?
Role of occupational therapy for clients with alcohol use disorder
小砂 哲太郎
1
,
水野 健
2
,
野村 千佳
3
,
中道 恵
1
,
三澤 剛
1
,
長雄 眞一郎
4
Tetsutaro Kosago
1
,
Takeru Mizuno
2
,
Chika Nomura
3
,
Megumi Nakamichi
1
,
Takeshi Misawa
1
,
Shinichiro Nagao
4
1久里浜医療センター
2昭和大学附属烏山病院・リハビリテーションセンター
3よしの病院
4横浜リハビリテーション専門学校
pp.1169-1174
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201102
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Key Questions
Q1:ARPにおけるOTの役割や課題とは?
Q2:アルコール依存症者に対する個別性を重視した取り組みとは?
Q3:自助グループの位置づけや職員が参加することで得られる効果とは?
はじめに
2010年度(平成22年度)の診療報酬改定により,OTもアルコール依存症(以下,ア症)治療の一翼を担う職種に含まれることとなった1).日本でのア症に対する作業療法の特徴は,長雄2,3)や野口4)によって述べられてきたが,論文や学会発表は少なく不十分で,いまだ確立されていない状況といえる5).いわゆる「久里浜方式」を基本として取り組まれてきた日本のア症領域のア症リハビリテーションプログラム(以下,ARP)は,認知行動療法(例:GTMACK6))の導入や感情に焦点を当てたSCOP7)等の新たな取り組みもなされている.また薬物療法の発展や簡易介入による節酒を念頭に置いた治療もみられる中で,作業療法としてア症患者に対し,何ができるのか,ア症治療の一翼として多職種チームの中で作業療法はどのような役割をとるべきか見いだしていく必要がある.本稿では,筆者の臨床実践の中でみえてきたア症患者に対する作業療法の役割を述べたい.
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