増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第3章 疾患別 上肢・手の困難事例へのアプローチ—具体的介入例とポイント
20 失調症
米持 喬
1
Takashi Yonemochi
1
1大阪発達総合療育センター
pp.852-857
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201016
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失調症の上肢機能:知っておくべき知識
運動失調とは,筋活動の協調が損なわれ,目的とする運動を円滑にできなくなった状態である.運動失調がある子ども(以下,失調児)は,つまみや握りといった巧緻動作の苦手さとバランス能力の低下により,日常生活に多大な制限を受ける.
定型発達では,運動経験を通して自己身体の構造と機能を知り,それらを基盤に外界へ働きかけ,認知機能が発達する.失調児の協調運動への支援は,運動発達に加え,認知・社会性の発達にも影響する.
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