増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第2章 上肢・手の実用的機能向上—各手技・手法の考え方と具体的実践
12 経頭蓋磁気刺激療法と作業療法の併用療法
横井 安芸
1
,
田口 健介
2
Aki Yokoi
1
,
Kensuke Taguchi
2
1神奈川県立保健福祉大学
2東京慈恵会医科大学附属病院
pp.725-729
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200992
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,脳卒中後のリハに対するニューロモデュレーション(neuromodulation)が注目を集めている.ニューロモデュレーションとは,中枢神経あるいは末梢神経障害に対し,薬物や電気刺激等を用いて,神経回路(neuron)の活動を調整(modulate)する治療法である1).
反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)は,脳卒中後上肢麻痺患者に対するニューロモデュレーションとして代表的に用いられている.rTMSはリハ手法と併用することにより,脳の可塑性を適切に誘導して機能改善を引き出し2),能力向上につなげることが期待されている.
本稿では,rTMS治療について概説し,脳卒中後上肢麻痺患者に対するrTMSと作業療法の併用療法であるNEURO(NovEl intervention Using Repetitive TMS and intensive Occupational therapy)を適用した事例について報告する.
Copyright © 2017, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.