増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第1章 上肢・手の機能と作業療法
5 —神経科学:小児—手の発達と脳
森田 早紀子
1
Sakiko Morita
1
1藍野療育園
pp.647-650
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200974
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はじめに
誕生時から形成されている大脳領域間の投射線維,連合線維,交連線維の構造的ネットワークは,環境との適応的運動学習から抑制系や予測的姿勢・運動制御と共に機能的ネットワークを構築する.生後半年間の急激なシナプス形成後の活動依存的な不必要なシナプス減少(シナプスの刈り込み)により,広範囲な脳活動による反応的で粗大な到達運動は,手指運動に限局した脳活動による精緻運動へと発達する.5〜6カ月ごろには,大脳皮質,基底核,小脳,脳幹のネットワークにより,意図的な到達・把握運動や両手探索が出現する.2歳ごろには左右半球の優位性を反映した利き手と非利き手の機能分担が始まる.図1のような領域相互関係により手は発達する.
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