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焦点 Coping
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パーソナル・コントロール,ストレス,コーピング・プロセス:理論的分析
Personal Control and Stress and Coping Processes: A Theoretical Analysis
S. Folkman
1
,
黒田 裕子
2
,
中西 睦子
3
1California大学Berkely校心理学部,Stress and Coping Project
2聖路加看護大学大学院博士課程
3日本赤十字看護大学
pp.243-260
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200973
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実験室やフィールドの研究によって,パーソナル・コントロールとストレス,コーピング,結果としての適応(adaptational outcome)の間にかつて考えられていたより複雑な相互関係があることが示されている。ある出来事がコントロールできるという信念が,常にストレスを減少させたり,よい結果を招くとは限らない。また,ある出来事がコントロールできないという信念が,常にストレスを増加させたり,よくない結果を招くとも言い難い。コントロールという概念をふまえながら,これらの複雑な相互関係を,Lazarusの説くストレスとコーピングに関する認知論的理論の文脈の中で吟味したいと思う。この論文の前半部分では,Lazarusの理論の概略を記し,コントロールの2つの型すなわちコントロールについて一般化された信念(generalized beliefs)と状況的評価(situational appraisal)が理論全体の中ではどのへんに位置づけられるかについて示したいと思う。状況的評価についてはいくつかの錯綜した知見があるので,そうした知見に対して問うべき疑問「いったい何をコントロールするのか?」に対する答も含めて検討してみたい。論文の後半の部分では,以下に述べる重要な問題3つについて検討する。
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