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Key Questions
Q1:地域包括ケアシステムの介護予防・日常生活支援総合事業における士会の役割は何か?
Q2:訪問型サービスCの成果と課題は?
Q3:市町村事業における士会の人材育成の現状と課題は?
はじめに
一般社団法人徳島県作業療法士会(以下,当士会)は,2016年(平成28年)3月末時点で会員数が510名であり,多くは経験年数10年未満の会員である.2016年度より当士会は,介護予防・日常生活支援総合事業(以下,総合事業)の通所型サービスC・訪問型サービスC(以下,本事業)で鳴門市から業務委託を受けることとなった.
鳴門市は徳島県東部に位置し,人口約6万人の鳴門の渦潮が有名な観光都市であり,なると金時や鳴門わかめ等の一次産業も盛んな地域でもある.しかし,2015年度(平成27年度)末には高齢化率が30%を超え,要介護度認定者数割合では,要支援2の割合が全国平均を大幅に上回っており,要介護度別介護サービス給付費もそれに比例して突出しているのが課題であった.可能なかぎり要介護度を重度化させず,新たな目標をもち生活機能を改善するために,「活動と参加」に焦点を当てた介護予防とリハが重要と位置づけ,当士会に相談があったのである.
相談を受けた当時,鳴門市に在住する会員は約40名であった.また,鳴門市のすべての地域包括支援センター(5カ所+基幹型地域包括支援センター)をカバーするにはそれに呼応したチームが必要であるが,鳴門市に所属施設のある会員は1割に満たないのが現状であった.その一方で,隣接する徳島市に約4割の会員の所属施設がある.このため,所属施設の理解が得られるかが大きな課題であり,人材育成も必須課題ではあるが,当面の核となるメンバーを,鳴門市と徳島市に所属施設のある会員を中心に選出すれば対応可能であると判断し,鳴門市とのパートナーシップを進めることとした.2016年度から正式に総合事業として位置づけ,現在,各地域包括支援センターと連携し,事業を展開している.
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