あんてな シリーズ 介護予防への取り組み・4
三重県理学療法士会における介護予防事業の展開—ダイハツグループとの共同の取り組み
高橋 猛
1
,
伊藤 卓也
2
,
南出 光章
3
Takeshi Takahashi
1
1鈴鹿医療科学大学保健衛生学部理学療法学科
2医療法人社団主体会主体会病院
3医療法人碧会しおりの里
pp.401-404
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201521
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はじめに
わが国は少子高齢化が進むなか,また2025年に団塊の世代が後期高齢者となるという問題に対して,厚生労働省は地域包括ケアシステム(以下,ケアシステム)を政策の大きな柱としている.ケアシステムは介護とリハビリテーションを構想の中心に据えており1),理学療法士への期待はますます高まっている.しかし,理学療法士は医療,介護のなかでの治療は得意とするところであるが,予防分野の運動療法あるいは比較的元気な高齢者に対する集団的運動療法を専門とする理学療法士は少ない.また卒前教育において地域リハビリテーション,特に介護予防の実習は少なく,卒後の勤務先は病院・施設が中心で,地域リハビリテーションを活躍の場とする者は稀であり,県・市町村の行政との連携を経験している者は数少ない.
こうした状況を踏まえて本稿では,三重県理学療法士会(以下,県士会)が企画している「比較的元気な高齢者に対する地域密着プロジェクト(健康安全運転講座;以下,安全運転講座)」,言い換えるならばダイハツグループ,県士会,行政,地域と住民を交えた産学官民の共同事業について述べたい.
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