特集 自然災害と作業療法
扉
香山 明美
1
,
宮崎 明美
2
1みやぎ心のケアセンター
2旭川荘みどり学園
pp.193
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200852
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特集にあたって
東日本大震災から6年が経過する今,被災地では仮設住宅から復興住宅に移行し,新たなまちづくりに取り組みはじめている方がおられる一方,長年住み慣れた土地を強制的に移動させられ,仮の生活を転々と続け,どこに終の棲家を求めたらよいのか決めかねている方も多くおられる.多くの悲哀の経験を重ねながら,誰もが元の生活に戻ることができないことを実感する6年でもあった.
この間,OTは多くの支援活動を展開してきた.発災当初から復興のこの時期まで,どの時期にも作業療法は役に立つという実感がもてるものでもあった.避難所や仮設住宅における住環境の整備,ひきこもり防止や活動性を引き出す支援,高齢者ばかりでなくさまざまな困難を抱えた方々への多岐にわたる個別支援等を通して,人は困難な生活を送りながらも可能なかぎり作業に取り組むことで日常を取り戻し,心身の回復ができるとあらためて気づかされた.
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