ロボットテクノロジーとリハビリテーションの融合

Harmonizing robot technology and rehabilitation

Key Questions

Q1：ロボットテクノロジーとは？

Q2：リハビリテーション領域におけるロボットテクノロジーの役割とは？

Q3：リハビリテーション領域におけるロボットテクノロジー活用の課題とは？

はじめに

　ロボットという言葉は，日本で暮らすわれわれにとって，かなりなじみの深い言葉ではないだろうか．子どものころからSFや漫画等でさまざまなロボットを見てきただけではなく，日本の経済発展を支えた産業用ロボットを学校の授業の中で見かけた人も多いと思う．最近では，2015年（平成27年）1月23日に経済産業省が公表した「ロボット新戦略」の影響か，マスコミ等で見かけることも増えている．この「ロボット新戦略」では，「世界一のロボット利活用社会を目指し，日本の津々浦々においてロボットがある日常を実現する『ロボットの活用・普及（ロボットショーケース化）』」が一つの柱として掲げられており，今後のわれわれの生活の中でロボットが積極的に活用されることが期待されている．

　そのようなロボットの活用領域として，リハも大きな関心を集めており，リハ領域の学会でもロボットに関連する研究発表が増えてきた．本稿では，工学系の研究機関に所属する研究者の立場から，ロボットテクノロジーとはどのようなものであるか，リハ領域におけるロボットの役割は何であるのか，ロボットが活用されるために何が必要であるのかについて説明したい．