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Key Questions
Q1:臨床実習での学生のもつ課題と解決策は?
Q2:指導者側の要因により生じる学生側の問題はないのか?
Q3:教育の効率性と有用性を引き上げる指導方法は?
作業療法を取り巻く現況
本邦における作業療法が50年を迎えるこの契機にあって,OTを取り巻く状況は診療報酬制度の改定,医療と介護の連携に付随する相互理解,さらに国民による医療ニーズの多様化等,日々刻々と変化している.2015年11月に財政制度等審議会より提出された「平成28年度予算の編成等に関する建議」1)の中では「教育の『質』を確保するために真に必要な施策はなにかについて,エビデンスに基づく総合的見地から検討すべきである」と提言された.また四病院団体協議会の調査2)によると,2025年に向けてOTの雇用を増加させるとした病院は約42%に上り,PT,STに比して有意に高い結果となっている.臨床力に対する質が担保された多くの臨床家が医療の場で活躍することを切望する声が高まっている裏づけといえる.国,各職能団体での議論を通して,教育の中核を担う臨床実習のあり方をしっかりと再考いただきたいと思う.
日本作業療法士協会は『作業療法 臨床実習の手引き〜第4版〜』3)の中で,臨床実習の目的を「実習生が臨床実習指導者の指導のもとに,対象者の全体像を把握,作業療法計画,治療・指導・援助などを通して,作業療法士としての知識と技術・技能および態度を身につけ,保健・医療・福祉にかかわる専門職としての認識を高めること」としている.本稿では,この目的を受けて,総和中央病院(以下,当院)での実践を紹介したうえで,実習生・指導者・対象者それぞれの成果につながっていくことを願って,医療分野における臨床実習のあり方を論述させていただく.
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