看護教育研究
在宅看護実習を受け入れる実習施設の現状と実習受け入れの意義
高井 俊子
1
,
岡本 啓子
1
1奈良県立医科大学看護短期大学部
pp.794-799
発行日 2003年10月25日
Published Date 2003/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903509
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はじめに
看護学教育の特徴の1つに,臨地実習の存在が挙げられる.看護基礎教育における在宅・地域看護実習(以下,在宅看護実習と略す)は,地域で生活する人々を対象とする現実の援助方法に関する理解を深める貴重な体験学習である.
1996年の看護学校指定規則改正以降,基礎教育課程に新たに「在宅看護論」という専門科目が新設され,地域で行う看護実習の実施体制が大きく変化している1).実習に関する実際的な情報はまだ乏しく,実習方法や実習環境の調整等に関する議論が展開しにくい現状にある.また,看護学校が在宅看護実習を依頼する実習施設の中心は,地域の保健所から市町村保健センター・訪問看護ステーション,その他保健医療福祉関連機関・事業所・施設へと多様化が進んでおり,実習受け入れ施設側の負担増加やケア対象者への影響などが懸念され,関心も高くなっている.
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