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はじめに
市立千歳市民病院(以下,当院)では,2003(平成15)年より助産学・母性看護学実習を受け入れており,2010(平成22)年2月から,大学からの基礎看護学と成人・小児看護学実習を受け入れ,今後,老年看護学への拡大も予定している。看護学実習の受け入れは,後輩育成を通したスタッフの人材育成ならびに個人の看護の質向上にもつながる多くの利点がある。
現場では学生指導に関わる時間などの業務負担から,ともすると実習受け入れを敬遠してしまいがちであり当院も例外ではなかったが,2008(平成20)年7月に入院基本料7対1を取得し,後輩指導の余力ができたこと,また,当時の教育師長の方針で当院にとっての利点を考え,2010(平成22)年度には領域を拡大し実習を受け入れる方針で準備を進めていたことを理由に受け入れ拡大を決定した(表1)。
この度,近隣の大学から看護実習生を幅広く受け入れるにあたり,当院では準備教育の一環として独自の実習指導者研修を行った。この一連の過程を通じて実習指導者が実習生受け入れに対して肯定的姿勢を養う結果を得たので,その実際と成果について述べる。
ちなみに,千歳市は北海道の中南部に位置し,札幌市や苫小牧市など4市4町に隣接している。新千歳国際空港や日本最北の不凍湖として知られる支笏湖を有する,自然と交通の利便性が融合した中核都市である。当院は1967(昭和42)年4月に『千歳市立病院』と言う名称で病床数132床を有する総合的な病院として開院した。その後,多くの変遷を経て,2002(平成14)年10月の新築移転を機会に『市立千歳市民病院』と名称を変更し190床の急性期病院として新たなスタートを切った。現在の概要は表2の通りである。
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