特集 内部障害への作業療法—リスク管理に留意して
コラム:補助人工心臓(ventricular assist device:VAD)を使用する方への作業療法—当院での取り組み紹介
小林 実桜
1
,
奈良 篤史
1
1東京大学医学部附属病院
pp.245-246
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200508
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心不全に罹患する患者は年々増加しており,心臓移植待機患者数も増え続けている.移植待機期間は3年近くになろうとしており1),その間患者の生命を支えるために行われるのが補助人工心臓(VAD)治療である.
VADは,体外式と植込式の2つに大きく分けられる.体外式VADは,駆動装置が大きく病院内での使用に限られる1).そこで,新しく開発されたのが植込式VADである.血液を送り出すポンプが体内に埋め込まれ,在宅治療や社会復帰が可能となった.本邦でも2011年に保険償還され,現在使用可能なものとしてEVAHEARTTM(株式会社サンメディカル技術研究所製),DuraHeart®(テルモ株式会社製),HeartMateⅡ®(Thoratec社製),Jarvik2000(Jarvik Heart社製)がある.植込式VADが適応となるのは心臓移植待機症例に限られており2),体外式VADは移植適応がない患者に対し自己心機能回復目的に使用されたり,体格が小さく体内へのポンプ設置が困難な場合に使用されることが多い.
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