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特集 心臓リハビリテーションの今—重複障害に対する作業療法
「心腎連関」と作業療法—当院における心腎連関に考慮した実際の作業療法の取り組み
Cardiorenal syndrome(CRS)and occupational therapy:Occupational therapy for CRS at JR Kyusyu Hospital
佐野 智行
1
,
牟田 奈々
1
Tomoyuki Sano
1
,
Nana Muta
1
1九州旅客鉄道株式会社JR九州病院
pp.1168-1175
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200405
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Key Questions
Q1:心腎連関とは?
Q2:当院における心腎連関を考慮した心疾患作業療法の実際は?
Q3:重複障害時代のOTの役割と今後の課題とは?
はじめに
近年,超高齢時代への突入に伴い,心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)を有し,さらにその他の障害や併存疾患をもつ患者が増加している.厚生労働省から発表された「平成25年(2013)人口動態統計(確定数)の概況」1)によると,心疾患(高血圧性を除く)による死亡数は年間19万6,723人と加速度的に増加している.死因別死亡数全体の15.5%を占め第2位であり,さらにCVDを発症した患者は高頻度で慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)を併存することがわかり,関連性は注目されている.
2014年度(平成26年度)の診療報酬改定により,心大血管リハビリテーション料の算定要件にOTの職名追記が実現し,OTによる早期からの介入が全国的に求められている.また,心臓リハビリテーション(以下,心リハ)では,包括的なリハの重要性が示されている.しかし,他疾病に比べ全国的にも心リハの作業療法の介入率は低く,導入している施設も少ない.JR九州病院(以下,当院)においても未実施であったが,作業療法による効果や必要性が評価され,約3年前〔2012年(平成24年)12月〕から開始した.当院でもCVD患者がCKDを併存していることが多く,リハを実施するうえで難渋する.
そこで,CVDとCKDとの関連性,当院での心腎連関を考慮した心リハ,その中でもOTによる実際の取り組みに関して経験を踏まえ概説する.
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