特集 心腎連関を再考する
治す13
心腎連関を考慮した高血圧の薬物治療:ARNI を中心に
金口 翔
1
,
田村 功一
1
1横浜市立大学附属病院腎臓・高血圧内科
キーワード:
サクビトリルバルサルタン
,
angiotensin receptor-neprilysin inhibitor(ARNI )
,
心腎連関
,
Na 利尿ペプチド
Keyword:
サクビトリルバルサルタン
,
angiotensin receptor-neprilysin inhibitor(ARNI )
,
心腎連関
,
Na 利尿ペプチド
pp.567-575
発行日 2023年6月9日
Published Date 2023/6/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001253
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サクビトリルバルサルタンが,左室駆出率の低下した心不全(heart failure with reduced ejection fractio n:HFrEF) 患者において,従来のレニン・アンジオテンシン系(renin angiotensin syste m:RAS) 阻害薬を上回る心血管複合エンドポイント抑制効果を有することが報告された。サクビトリルバルサルタンは,高血圧に関しても従来の RAS 阻害薬を凌駕する降圧作用を発揮することが示され,わが国では心不全だけでなく高血圧に対しても保険適用となっている。さらに,心不全患者では,サクビトリルバルサルタンは従来の RAS 阻害薬よりも腎保護の観点からも優れていることが報告された。こうしたサクビトリルバルサルタンの従来の RAS 阻害薬に対する優位性は,ネプリライシン阻害によるナトリウム(Na)利尿ペプチドの活性化が大きく寄与していると考えられる。
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