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Key Questions
Q1:これからの介護予防事業の主な変更点とその意図とは?
Q2:介護予防のまちづくりにかかわるという自覚と求められる視点とは?
Q3:作業療法の実践理論を基盤とした予防的健康増進プログラムとは?
介護予防事業の変遷
2006年(平成18年)の介護保険制度改正時に,地域支援事業(介護保健法第115条45)が創設された.同事業は増加の一途をたどる軽度の要介護・要支援者への対応として特に予防に重点が置かれ,その具体策の一つとして介護予防事業が設けられた.当初からこれまで毎年のように事業内容の見直しが図られ,2012年度(平成24年度)には「介護予防・日常生活支援総合事業」の導入,そして本年度(2015年度)から「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」がスタートしている.
事業内容が幾度も見直されたとなると,それまでのやり方に問題があったかのようにもとれるが,これまでの変遷を俯瞰すると必要なステップを1段ずつ進んできたようにもみえる.表1は2008年(平成20年)にアップされた『介護予防マニュアル概要版(暫定版)』1)(厚労省HP)に記載された介護予防の説明(抜粋)である.すでにこの時点で「介護予防とは単に運動機能や栄養状態といった個々の要素の改善だけを目指すものではなく,生活行為や参加の向上を図り,生きがいや自己実現のための取り組みを支援する」という,現在の説明とほぼ変わらない方向性が示されている.しかし当初は,運動器の機能向上や口腔機能向上等,二次予防事業該当者(特定高齢者)の個々の要素を向上させる観点からの取り組みが目立っていた.振り返ればこの時期は「各種プログラムの整備開発」段階といえる.
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