- 有料閲覧
- 文献概要
3月28,29日の2日間にわたり,発達系作業療法学会の学術大会が大阪で開催され,初めて参加させていただいた.今回で第3回の開催となり,全国各地からお越しになられた方々で会場はいっぱいとなっていた.開会式での辻 善城大会長のお話の中でも,これまでで一番の大盛況ぶりとのことだった.
今大会では,“人生ブラボー「これでいいのだ!」”をテーマに掲げ,講師に伊藤直子先生,辻薫先生,岸本光夫先生をお迎えした.1日目前半には,特別講演と題して,長い臨床経験の中で,“人生ブラボー「これでいいのだ!」”と実感した思い入れのある事例の紹介や,これまでのOT人生の経緯等についてお一人ずつご講演いただいた.続いて,大会長の辻 善城先生を司会に加えた4人の先生方で討論会がなされた.討論の中では,OTをしてきて楽しい,やりがいがあったこと,逆に辛かったことについてお話が展開された.大阪ならではのお話の展開のされ方に,会場が笑いに包まれることもあった.また,現在の作業療法界が抱える課題についても言及された.その中の一つの話題で,現在児童デイサービス施設等が増加してきて,どんどんそちらに利用者が集中し,通園施設等とのいわゆる競争状態になりつつあることが挙げられた.どのようにしたらうまく連携,棲み分けができるのか,これはまさに私自身が感じはじめていたことでもあったので特に印象に残っている.自分の周りだけの話ではなく,やはり全体的にその傾向が出てきているのだなとあらためて考えさせられた.また,作業療法の専門性をどう出していくのか,作業療法が今後生き残っていくための根拠に基づいた作業療法を提供,実証していくことの重要性についても触れられた.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.