JARM NEWS【REPORT】
第9回日本ボツリヌス治療学会学術大会/第28回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
中馬 孝容
1
,
松浦 広昂
2
1滋賀県立総合病院リハビリテーション科
2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
pp.81
発行日 2023年1月18日
Published Date 2023/1/18
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- 文献概要
2022年9月16日(金)〜17日(土)の2日間,第9回日本ボツリヌス治療学会学術大会(大会長:横浜医療福祉センター港南 根津敦夫先生)が開催されました.当初,東京での現地開催が予定されていましたが,新型コロナウイルス感染症・第7波の情勢を鑑みたうえで,オンライン開催へ変更されました.今回の学術大会のテーマは,「安心の未来に向けて—長期予後を考える—」でした.本学術大会は,例年ボツリヌス治療の対象疾患,その治療方法,効果などについて発表がされていますが,今回は,特に,脳卒中痙縮,膀胱機能障害,小児脳性麻痺,痙攣性発声障害,痙性斜頸・局所ジストニア,眼瞼・顔面痙攣の各疾患における長期予後についてのシンポジウムがあり,治療アルゴリズムの中のボツリヌス治療のあり方や長期予後への影響,さらに,未来に向けた治療戦略についての論議が展開されていました.またスキルアップレクチャーでは,各疾患のボツリヌス治療について端的かつ明瞭なスキル向上に向けたレクチャーを聴く機会に恵まれました.ボツリヌス治療後の訓練についてのシンポジウムも開催され,幅広く,かつ理解が深まる学術大会であったと思います.あらためて,ボツリヌス治療の対象疾患の幅広さと,その治療により機能,ADL,QOLの向上が図れることを再認識でき,有意義な時間を過ごすことができたと考えます.
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