学会・研修会印象記
日本発達系作業療法学会第5回学術大会
北橋 由貴
1
1心身障害児総合医療療育センター
pp.603
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200958
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2017年(平成29年)3月26日,日本発達系作業療法学会が首都大学東京荒川キャンパスにて開催され,初めて参加させていただいた.今回で5回目となる今大会は,「子どものくらしを支援するもの—できるを叶える」をテーマに掲げ,基調講演,特別講演,一般演題9題が発表された.各演題に対する質疑応答等では,大学教授等の研究者としての視点や,普段臨床で子どもたちにかかわっている方々の視点等,さまざまな立場から意見交換がなされていた.
基調講演として公益財団法人共用品推進機構の星川安之先生が「不便さを便利さに—やりたいことを実現するモノやコト」と題して,これまでの共用品の考え方や製品,その製品ができた理由,共用品をつくるうえで必要なことをお話しくださった.星川先生の話の中で印象的だったのは,ニーズをより深くまで聞いて製品をつくることはもちろん大切だが,最後には人のちょっとした配慮でより多くの人が快適に過ごせるようになるということだ.缶ビールに貼られた1枚のテープで,視覚障害のある方が好きな会社のビールが飲める,そのひと手間がまさしく不便さを便利さに変えることなのだとのお話に,普段自分たちがしている仕事を重ねて,そのひと手間のお手伝いができるOTになるべきだと感じた.
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