増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
9 —医療機関(病院)②—介護療養型医療施設(療養病床)での認知症への作業療法
中野 小織
1
Saori Nakano
1
1特定医療法人アガペ会 北中城若松病院
pp.692-697
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200277
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はじめに
認知症疾患型介護療養病棟(以下,介護療養病床)は,認知症を有する要介護者が,施設サービス計画に基づいた療養上の管理,看護,医学的管理下における介護等の世話や,できるだけ自立した生活が営めるよう機能訓練等の提供を行う施設で,介護療養型医療施設の一つである.この介護療養型医療施設は,近年のわが国の課題1)である病床の機能分化と社会的入院の解消および医療費抑制を目的に,2017年度末までに廃止する方針とされていた.2015年度(平成27年度)介護報酬改定では機能強化型が新設され,今後も方向性について検討が求められる現状にある.当院の介護療養病床はこれまで,療養から医療への転換期とし「治療が済み次第,速やかに元の生活の場へ戻る」ことを目指してきた.当療養病床で働くOTも,それぞれの役割を明確にし,長期化する入院について現状を整理し,対策を立て(表1),その改善に取り組んできた.
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