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指定介護療養型医療施設(以下,介護療養型医療施設)は,主として長期にわたり療養が必要な患者が入院する介護保険適用療養病床である.施設の機能は,療養上の管理,看護,医学的管理下での介護である.役割は,入院の場合は在宅復帰支援と長期療養支援である.利用者の心身の状態,家族および介護保険サービスを含めた介護力,家屋環境といった総合的判断から支援方法が決定される.短期入所療養介護の場合は家族の介護負担軽減による在宅生活維持支援である.
平成15年4月1日施行の介護報酬改定では,基本的な考え方として「在宅重視」と「自立支援」の観点から多くの見直しが図られた.介護療養型医療施設の今後充実すべき機能は,医学的管理下における重度介護者に重点化した施設として,長期にわたる療養の必要性が高く要介護度の高い者へのケアを担うこととなった1,2).対象者は要介護1~5に認定されていれば利用可能であるものの,主な対象を要介護4または5とし,重度療養管理(常時の医療管理として,気管切開による頻回の喀痰吸引,肺機能低下による酸素療法,継続的な輸液管理が必要な持続点滴や中心静脈栄養,腎機能低下による透析,不整脈や低酸素症のためのモニター測定,ストーマの管理など)が必要な利用者への対応が重点化された.またリハビリテーション(以下,リハビリ)体系の見直しが図られ,特に療養生活の場である病棟における維持期の日常生活動作(以下,ADL)改善が重視された3).生活機能の改善などを通して,実用的な日常生活における諸活動の自立性の向上を図るために,種々の運動療法・リハビリ室以外の病棟などで実用歩行や活動向上を目的とするエクササイズ・物理療法などを組み合わせて個々の患者の状態像に応じて実施する.
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