学会長・大会長・学術集会長の言葉
第16回日本言語聴覚学会開催にあたって
遠藤 佳子
1,2
1宮城県言語聴覚士会
2東北大学病院
pp.345
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200189
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このたび,第16回日本言語聴覚学会を宮城県仙台市で開催することとなりました.今回のテーマは「臨床力を鍛える—言語聴覚療法の発展と開発」です.「明日の臨床が面白くなる学会」を目標に開催致します.
私がこの学会に込める思いは大きく2つあります.ひとつは,若い言語聴覚士(ST)に「臨床力を自ら築く」ためのヒントを得てほしいということです.STは,1997年(平成9年)に制定された「言語聴覚士法」で国家資格となりました.その歴史はまだ20年もありません.日本言語聴覚士協会に所属するSTは20代,30代が全体の約8割を占めており,若い世代が多いのが特徴です.この若きSTは,これから臨床場面で数々の経験をし,その経験を糧にして次のステップに向かって行かねばならない人々です.しかし,実際には常に目の前の業務に追われてばかりで,自身の臨床を振り返り,反省し,明日の臨床で再度自分の力を試す,という「臨床力を自ら築く」機会が少ないのではないかと強く感じています.そんな現在だからこそ,「臨床力」を鍛えることにこだわった学術集会があってもいいのではないかと思いました.質の高い講演に触れ,自分の臨床を振り返り,明日の臨床にもち込む.自分の臨床をまとめ,他者に聴いてもらい,意見をもらう.それを中心にした学術集会を開催したいと思い,企画を考えました.実際に毎日臨床を行っている者のみで構成された当実行委員会だからこそ,臨床力の向上のみにこだわった学会が実現できるものと思っています.
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