学会長・大会長・学術集会長の言葉
第17回日本言語聴覚学会開催にあたって
瀧澤 透
1,2
1京都府言語聴覚士会
2京都光華女子大学
pp.475
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200570
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STは同じリハ専門職のOTと比較しますと,約30年遅れて国家資格制度ができました.そのため,人数はまだまだOTと比べるべくもありませんが,第1回国家試験が1999年(平成11年)に実施されてから,年を追うごとにその数が増加してきています.日本言語聴覚士協会HPによりますと,2016年2月末現在の有資格者は2万5,549人であり,主に医療福祉関係に就業し,他に学校教育・研究機関や養成校に勤務しています.STという職業は社会的にまだ十分認知されているとは言いがたい状況ですが,摂食嚥下障害,失語症,高次脳機能障害,認知症,発声発語障害,小児の発達・言語障害,聴覚障害等,多岐にわたる対象に業務を行っております.今後,社会がますます高齢化していく状況では,他のリハ専門職と同様にSTへの社会的ニーズは高まっていくことが予想されます.
そのようなニーズの高まりの中で,今年の6月,京都で第17回日本言語聴覚学会を開催することになりました.今回の学会テーマは「コミュニケーション 知と技の融合—そうだ 学会へ行こう」に設定致しました.私たちの生活はコミュニケーションによって成り立ち,私たちの存在がコミュニケーション的と言ってもよいかもしれません.そして,リハを遂行する業務も各専門職の連携とコミュニケーションの上に成り立ち,リハを受ける当事者とセラピストとのコミュニケーションは不可欠な要素です.今学会ではこの「コミュニケーション」をキーワードに学会の内容を企画し,充実させました.
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