提言
よりよい作業療法実践に向けて—患者中心のアプローチと根拠に基づく実践
大浦 智子
1,2
Tomoko Ohura
1,2
1星城大学
2京都大学大学院
pp.90-91
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200116
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近年,作業療法領域においても「患者中心のアプローチ(patient-centered approach:PCA)」や「根拠に基づく実践(evidence-based practice:EBP)」という言葉を耳にする機会が増えてきた.しかし,さまざまな立場のOTと話をする中で,「PCAは患者さんの言う通りにすること」,「EBPは常に論文のエビデンスを優先する」といった誤解が生じていると感じることもある.臨床場面における意思決定には,患者の価値観や,これまでに明らかとなっているエビデンスの両方が含まれ,決してどちらか一方のみではない.
本稿では,患者中心の考え方,作業療法実践におけるエビデンスの活用とその課題,意思決定の共有について論じ,よりよい作業療法実践に向けた取り組みを検討する.なお,医師と患者関係に関する文献の引用に際しては,「医師」を医療・介護の「提供者」と置き換えて提示する.
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