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2014年(平成26年)10月9日〜11日,グランドプリンスホテル新高輪にて開催されました一般社団法人日本脳神経外科学会第73回学術総会に参加しました.会長は,当順天堂大学の脳神経外科教授である新井 一先生で,テーマである「知の継承と創造そして社会への発信」について,先人の「知」を継承し,そこから新しい「知」を創造,これを世界に向けて発信しようという思いを込められたそうです.また,「日本の脳神経外科では外科的・非外科的治療,周術期管理さらには,長期的予後管理まで,一人の患者の診療を一貫して担当する」と,欧米とのシステムの違いを述べられており,学会参加者のほとんどが医師という初めての経験でしたが,参加前から非常に楽しみにしておりました.
実際に参加してみると,参加者は若い方ばかりでなく,経験豊富なベテランの医師たちがフロアからも多くの質問や討議を投げかけていらっしゃいました.そして,地域(すなわち開業)で働いている方も多く,基礎研究やエビデンスのディスカッションにとどまらず,普段臨床で診ている症例についても多く議論されていました.知の継承にふさわしく,NHKメディアテクノロジーの協力のもと,8K映像,4K-3D映像による「手術のデモンストレーション映像」が公開されており,自由に視聴することができました.ハンズオンセミナーでは,資格と経験のある優れた医師が,若年の医師に対して,人体模型を使用し,各領域の手術手技について,まさに手取り足取り指導されており,知識にとどまらない経験に基づいた叡智の継承が図られていました.また,モーニング,ランチョン,アフタヌーン,イブニングと各セミナーも充実しており,手術手技にとどまらず,パーキンソン病や経管栄養等についても最新の知見が得られるセッションが用意されており,手術とは縁遠い私でも非常に興味深く,勉強になることが多くありました.
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