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特集 高齢者の食べる喜びを支える作業療法
介護老人保健施設におけるOTの役割と多職種連携―食べることへのアプローチ
Multidisciplinary cooperation and the role of the occupational therapist in Long-Term Care Health Facility:Approach to eating
杉山 亜矢子
1
,
本田 朋子
2
,
坂上 哲可
3
,
清本 憲太
3
Ayako Sugiyama
1
,
Tomoko Honda
2
,
Tetsuyoshi Sakaue
3
,
Kenta Kiyomoto
3
1社会医療法人明生会 網走脳神経外科・リハビリテーション病院
2社会医療法人明生会 介護老人保健施設あるかさる
3学校法人日本医療大学 専門学校日本福祉リハビリテーション学院
pp.941-946
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100620
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Key Questions
Q1:目標指向的介護とは?
Q2:介護老人保健施設における多職種連携とは?
Q3:食べる楽しみを獲得する意義とは?
はじめに
生活期では,摂食嚥下障害をもちながらも施設や在宅で生活しているケースが多い.中でも胃瘻造設したケースでは,嚥下機能の低下が著しい場合と,嚥下機能は保たれているものの,さまざまな要因で経口摂取困難となった場合がある.「経口摂取獲得」,「食形態の変更」といったADL拡大はリスクを伴うため,職員としてもQOL向上の面から葛藤する場面は多い印象がある.介護老人保健施設(以下,老健)は保健医療施設であるが,リハ職員も含めた医療従事者の数は少ない.そのため,摂食嚥下に関して十分な評価を行うとともに多職種との連携は不可欠である.
今回は,老健でサービス環境の課題に直面しながらも胃瘻から脱却し食事を楽しむことを再獲得した症例を経験した.OTは対象者のわずかな変化をとらえることはもちろん,実際にケアにあたる介護・看護職員が安全に安心して業務遂行できるようサービス環境のマネジメントと多職種連携を心がけることが必要と考える.老健でのOTの役割,多職種連携について以下に述べる.
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