増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第2章 支援技術Ⅰ 急性期から回復期の基礎
5 基本動作の支援 ②食事―先行期のかかわり
白木原 法隆
1
Noritaka Shirakihara
1
1一般財団法人山梨整肢更生会 富士温泉病院
pp.617-621
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100548
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はじめに
食事はヒトの本能的な欲求行為であり,生存に不可欠な行為である.そこには空腹を満たす欲求のみの解決だけではなく,食べることの楽しみやおいしさ等を求めて得られる満足感も含まれている.ヒトの摂食における食物の取り込みは5期3相(「期」は組織の動き,「相」は食物の動き)ある.先行期,準備期,口腔期(第1相),咽頭期(第2相),食道期(第3相)のうち,先行期から食道期までのわずか数秒間に咀嚼・嚥下が行われ,先行期以降ほとんど自律的な機能に支えられている1).そのため,ひとたび食物を口に取り込むとその介入は難しさを伴うことが多く,主に先行期から準備期・口腔期(文献によっては口腔準備期)におけるかかわりがOTの介入として重要であると考える.
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