増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第2章 支援技術Ⅰ 急性期から回復期の基礎
3 脳卒中急性期リハのリスク管理と合併症予防対策
加藤 啓之
1
,
山田 将之
2
Hiroyuki Kato
1
,
Masayuki Yamada
2
1藤田保健衛生大学病院
2藤田保健衛生大学
pp.602-606
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100545
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はじめに
脳卒中急性期リハは,リスク管理を徹底しながら現疾患の治療と平行して廃用症候群を最小限に抑え,日常生活活動(activity of daily living:ADL)の早期向上を目指して行うものである.「脳卒中治療ガイドライン2009」1)においても,「発症後早期からの積極的なリハビリテーション」はグレードAと推奨されている.また,脳卒中を発症する多くの患者は高齢であり,意識障害,高次脳機能障害により訴えがはっきりしないことがある.このため,問題の発見が遅くなり重大な問題を引き起こす場合がある.さらに廃用症候群の予防のため,発症早期からのリハが求められるようになっており,リハ中の急変リスクは増大している.
リハ医療にはチームアプローチは欠かせず,OTが医師に患者の全身状態についての報告,相談,提案を行うことでリスクを回避することが可能であり,急性期にかかわるOTにとってリスク管理の知識・技術は必須となる.
本稿ではOTが急性期の脳卒中患者にかかわる際に知っておくべきリスク管理,合併症予防について述べる.
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