増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第2章 支援技術Ⅰ 急性期から回復期の基礎
2 How to コミュニケート コミュニケーションの目的と支援の考え方
関谷 宏美
1
Hiromi Sekiya
1
1甲州リハビリテーション病院 リハビリテーション部 リハビリテーション課
pp.598-601
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100544
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はじめに
「そんなつもりで言ったわけじゃない……」
自分の発した言葉が思わぬ誤解を招き,戸惑ってしまったことはないだろうか? 人間社会の中で,コミュニケーションをとることは,自分には障害がないと認識している私たちにとっても難しい.コミュニケーションは,単に言葉を交わすだけでなく,多くの要素を含み,生きていくうえで欠かすことのできない「人とのつがなり」に強く影響するからである.しかし,それは,難しいだけでなく大きな可能性を秘めたものでもある.
脳卒中後のコミュニケーション障害というと,失語症,構音障害,気管切開等による発話障害,重度身体障害による閉じ込め症候群等が挙げられる.それらの障害特性と支援方法は多くの文献で述べられているので,今回は,OTとして,脳卒中の方とコミュニケーションを図る際の目的とその支援の考え方について経験をもとに紹介する.
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