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特集 コミュニケーション上手な医師になる
コミュニケーション・スキル
コ・メディカルスタッフとどうコミュニケートするか
How to Communicate with Nurses and Co-Medical Staffs
青井 一展
1,2
1川崎医科大学総合臨床
2(現)青井医院
pp.794-795
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901610
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- Abstract 文献概要
■主治医が患者に接近しすぎて患者の退行を招き,チームが分裂してし まった例
患者 Aさん.70歳,女性.
診断 うつ病,糖尿病.
衰弱が強く,栄養状態と抑うつ感情の改善を目的として川崎医科大学総合診療部に入院した.入院後から,主治医はAさんにしがみつかれている印象を持ったが,危機感を抱かず,チーム内に伝達もしなかった.やがてAさんは,主治医が手を握ってエレベータに乗らなければ買い物にも行けないほどに退行し,昼夜を問わず頻回に確認・保証を求め,口渇をはじめ多彩な身体不定愁訴を看護婦に訴えるようになった.看護婦は対応に苦慮し,Aさんに陰性感情を覚えることもあったが,同僚同士の愚痴でストレスを紛らわしていた.看護婦は,訴えがあるたびに主治医に報告したが,主治医は「そのぐらいのことには,対応してくれ」と,反発心を抱くのみで,チームミーティングを活用せず,具体的な対応のアドバイスも出せないままでいた.やがて看護婦から,Aさんのような患者はうちの病棟ではみられない,との意見が出された.
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